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知財コラム

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「『それパク』見てますか?」

2023.05.15

 現在放送されているドラマ「それってパクリじゃないですか?」を見ています。開発部から知的財産部に異動した女性知財部員(芳根京子さん)が、上司の企業内弁理士(重岡大毅君)とともに知財紛争を解決していくという物語です。
 職業系のドラマでは、馴染みの薄い職業ほど感情移入しづらくてストーリーを楽しめないものですが、逆に自分の仕事に近すぎるドラマの場合、今度はリアリティが気になりすぎてやはりストーリーを楽しみ切れません。ほとんどドラマ化されることのない自分の職業をドラマで見るのは何だか気恥ずかしいです。
 かつて企業内弁理士だった僕と比べて重岡君はキャラクターが違い過ぎるな、などと思いつつも、ドラマ中の知財関連の説明が思いのほか正確で驚いています。冒認出願、特許権移転請求訴訟、不正競争防止法、商標の区分なんかが次々と出てきて、監修者の仕事の質が半端ないなと思って調べてみると、どうやら昔の同僚の知人のようです。その昔の同僚に尋ねてみると「この間一緒にご飯食べたときに、ドラマの監修やってると言ってたよ」とのことでしたから、やはりこの世界は狭い。
 知財の説明の質が高いこともあってか、日本弁理士会も全会員に宛てて告知メールを発信しましたし、特許庁もツイッターやYouTubeで「それパク応援企画」なるものを発信しています。正直なところ、特許庁ホームページ中の一般向けコンテンツよりも知財の仕事を広めるのには有用なドラマでしょうから、制度普及をめざす特許庁もフットワーク軽くいい仕事をしています。しかし視聴率は伸び悩んでおり、やはりマイナー職業なだけに少々苦戦しているようです。
 視聴率が上がるといいなと思いつつ、毎回楽しみに見ています。これまでのところ一話ごとにある程度話が完結するので、途中から見ても十分楽しめると思います。このメルマガを発信する本日(5月10日水曜日)は第5話の放送日ですから、これを読んだアナタは今晩見ますよね。

(日本弁理士会中国会 弁理士 中務 茂樹)