知財コラム

「ブランドづくりとして商標の活用を!」

顧客に対して自社ブランドを活用すると、知名度が増したとか、価格競争から回避できた等(中小企業白書2005)とあるように、他社商品と製造販売元が区別され競争優位性が得られる効果が期待できます。
このブランド構築には商標が手段の一つとして有効で、顧客の心を掴む商標が望まれます。
その商標の出願件数の推移をみると、商標出願件数(国際商標登録除く)は2013年度を100%とすると、2014年度107.5%、2015年度126%と右肩上がりに増加しています。最近の企業の商標に対する関心の高まりが数字に現れています。
そこに、企業にブランドイメージ造りの幅の拡がりを可能にするために、従来からの文字商標や図形商標に加えて平成27年4月1日から色彩商標や音商標等が追加されました。
現在(平成28年10月4日)の公開情報(特許情報プラットホーム)からは色彩商標は出願数 479 件で登録数0件、音商標は出願数460件で登録数60件です。経過をみると、かなり厳しい状況になっていますが、これは審査期間が文字商標の5~6か月に比較して約1年3か月かかっているので審査が遅れているからと判断しています。なぜ遅れるかは、色彩商標であれば色彩の表現方式による色彩指定と提出した色彩を専門家的に審査され、音商標であれば五線譜により表される音と音声ファイルも音を専門家的に審査されるので審査期間が長期化しているのではと推察しています。出願時に専門家的な面からチェックをすることが必要かと思います。
また、インターネットには音商標出願を手伝う業者が新たな市場を見つけたという感じで出現しています。
企業のブランド構築を支援する商標の種類が、文字や図形に加えて音や色彩等が追加されましたので、自社のブランドイメージを多様な面から考えられてはと思います。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 田村 善光)

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