知財コラム

「知的財産とは」

財産にはいろいろあり、土地、建物、車、それに知的財産もあります。土地の場合、境界があるのでその境界を超えて許可無く侵入する者に対して「出て行け」ということができます。車の場合、形があるので許可が無いのに乗ろうとしている者がいるか否か当然に分かります。
ところが知的財産の場合はどうでしょうか。例えば特許の対象は発明ですが、発明とは特許法で「技術的思想の創作のうち高度なもの」と定義されています。つまり技術的思想です。思想とは「考えられたこと、考え」であり、外部からは見ることも触ることもできません。それなのに、特許の世界では、「特許権に抵触する」とか、「特許発明の技術的範囲に含まれる」とか言われます。
見ることも触ることもできないのに「抵触」、「含まれる」と表現されることは理解に苦しむところですが、これが言えるのは、技術的思想が特許請求の範囲に記載された文章で表現されてその外縁が明確になっているからです。
見えない技術的思想をどう捉え、将来の侵害形態まで考えて特許請求の範囲としてどう表現するのがよいのか、日々、苦労の連続です。

(日本弁理士会中国支部 前田特許事務所 弁理士 斎藤 克也)

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