知財コラム

「お叱りを受けた話」

お客様からお叱りを受けたことがあります。
ある出願に対して拒絶理由通知を受けたのですが、それは全く予想外の拒絶理由通知でした。そこで私は、拒絶理由を解消するために必要な手続きと反論の概要について、お客様に丁寧にご説明した、つもりでした。ここで、お客様からお叱りを受けました。
私は、見通しが甘かったことと、事前の説明が不足していたことについてお詫びしました。しかしお客様のご不満はそこではなかったのです。お客様は、望み通りには手続きが進まず、そのうえ、私が事務的な説明に終始したことにご不満だったのです。当時の私にはそれがわからず、お客様の思いに対して全く寄り添っていなかったことに、お叱りを受けてようやく気づき、本当に恥ずかしく思いました。
私の心のどこかに、「これは審査官の判断であって自分にはどうしようもない」、という考えが根底にあったのだと思います。お客様の目には、私が「代理人」とは名ばかりの、あたかも審査官からのメッセンジャーのように振る舞っているように映っていたことと思います。お客様はさぞ失望したことでしょう。
このお叱りが、弁理士としての自分の成長に繋がったと思います。弁理士に対してはなかなか言いにくいかもしれませんが、お客様の忌憚のないご意見を頂ければと思います。それが弁理士のサービス向上に繋がると信じております。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 川角 栄二)

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