知財コラム

「人工知能(AI)について思うこと」

最近新聞や雑誌等で、人工知能(AI)に関連した内容の記事を見ることが多くなりました。私が所属している日本弁理士会でもご多分に漏れず、昨年の研修には、人工知能に関連にした研修が行われました。なお、日本弁理士会で行われる研修とは弁理士資格を維持するための要件として開催されているものです。弁理士が関連する知的財産権の世界においても、人工知能の話題は避けて通れない内容になっているようです。
私はもう少し人工知能について知りたいと思い、NHK出版新書の「人工知能の「最適解」と人間の選択」と言う本を読んでみました。
私が関心を持った内容は、電脳戦でプロ棋士の佐藤名人と戦った「人工知能のポナンザ」が差す手についての思考過程は、「ポナンザ」を開発したプログラマーでも、その思考過程は理解できないそうです。つまり、人工知能の思考はブラックボックス化しており、結果として正しい判断をするが、何故、そのように判断するか分からないとのことです。
また、アメリカにおいて慢性的な刑務所不足を解消するために、再犯罪の予測を人工知能が行っているとのことです。ただ、犯罪者の様々なデータの中には、人種についてのデータもあり人種差別の可能性についても示唆されておりました。
そしてこの内容から、私は弁理士の仕事に関連した事項について夢想してしまいました。
現在のところ人工知能は最適解を求めることはできるので、特許出願書類の審査は近い未来に行えそうです。ただ、特許出願の審査結果は正しいものでも、その思考過程が不明ならば、弁理士は対応できるのでしょうか。
また、特許出願等の審査の対象となるデータについて、特許出願の出願人や代理人(弁理士)についての、データが含まれるとするならば、出願人や、弁理士の過去の実績が参酌される場合もあるのでしょうか。
人工知能が今後どの様に、弁理士の世界に関わってくるのかは分かりませんが、明るい未来が来ることを祈っております。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 木村 正彦)

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