知財コラム

「国際出願雑感」

昨年中国の国際特許出願の数が初めて日本(48,206件)を上回って、世界第2位(48,875件)となったとの発表が先日ありました。国際特許出願とは、多数国の外国を指定することによりこれらの国に個別に出願するのと同じ効果を持つ出願のことを言います。国際特許出願の数が多いってことは、中国企業が中国以外にも出て行って活動場を広げていると容易に推察できます。
中国の国際出願は、ファーウェイという会社の活躍が目立つそうであります。ファーウェイはネットワーク機器関係の会社であり、設立直後の1990年代から中国企業の中でもとりわけ米国への出願が多かった印象があります。そのころ、日本の通信機器メーカは、アナログ電話交換機器から、インターネットプロトコルによるデジタル通信機器へ製品転換を図っていた時期であり、商売的には特定顧客から不特定顧客への変更(いわゆるコモディティ化)を余議なくされ、かつ過去の電話交換機器特許は使えず新分野への特許の蓄積が少ない苦しい時代でした。製品転換で停滞している日本を尻目に、当時の新分野の開発に大きな投資をし、特許で外国での技術的地位を高めて行く目の付けどころは凄いと思います。
中国の国内向け特許出願の件数は130万件余りであり、日本の4倍以上とのことであります。まだまだ国際出願が増える余地があるということでしょうか。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 忰熊 嗣久)

バックナンバー

知財コラムの一覧に戻る