知財コラム

「出願件数」

 開発成果としてある製品ができあがり、その製品がアイデアA、B、Cの3つを含むものだったとします。このような製品については特許出願を3件行うことができる可能性がありますが、出願費用は3件分必要になり、出願審査請求料も3件分必要になります。つまり、費用が高額なものになります。
 「それは3件も出願するから当然だろう。」とか、「1製品で3件も権利が取得できるのなら、費用が高額でもいいのではないか。」という考え方もあります。しかし、出願した件が100%権利になるものでもないですし、その製品が途中で大きくモデルチェンジして当初想定していた権利範囲が意味のないものになる可能性もあり、これらのことを考慮すると出願費用はできるだけ抑えたいという要求があります。
 このような場合、3つのアイデアをまとめて1件で出願する方法が浮かんできます。そうすれば出願費用を抑えることができるのですが、ここで注意しないといけないのは、特許出願においては発明の単一性(二以上の発明が所定の要件を満たす場合には、これらの発明を一の願書で特許出願できる)が求められるので、1件の出願にA、B、Cをバラバラに記載したのでは、結局、拒絶されて分割出願や削除補正が必要になり、「低コストで思うような権利を取得する」ということが難しくなります。
 また、A、B、Cを別々に出願した方がよいのかという議論もあります。AとCの一方を上位概念、他方をその下位概念として1件で出願した方が権利取得の可能性が高まったり、AとCをまとめてしまっても実質的に失うものが無い状況もあります。
 上述したケースはよくあることです。発明の単一性や、上位概念、下位概念の考え方については、各件の内容によって様々ですので、専門家の弁理士にご相談下さい。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 齋藤 克也)

バックナンバー

知財コラムの一覧に戻る