知財コラム

「流行りの言葉」

 商品名やサービス名には、その時、その地域で流行ったものが反映されることが多く、この傾向は、特に、地方で強いように感じます。
 例えば、マナカナでお馴染みの三倉茉奈さん及び三倉佳奈さんが扮する双子の姉妹が島根を舞台に活躍するNHKの連続テレビ小説「だんだん」が2008年度の後期に放送された前後には、島根県及びその周辺において、「だんだん」という名前の商品やサービス名が多く見受けられました。
 「だんだん」は「ありがとう」という意味の出雲弁ですが、上記ドラマが放映される以前(※勿論、当方が生まれた後の話です)には、その言葉を島根県内で耳にすることはあまりなかったように記憶しています。このように、ある地域において特定の言葉が突然頻繁に使用されるようになると、問題になるのが商標です。
 それだけ注目度の高い言葉ですから、商品やサービス名として採用されることも多くなり、その結果として、同一又は類似の商品・サービスの範囲内において、同一又は類似の商標を、複数の会社が、同じような時期に出願又は使用するような事態が発生することになります。自身が使用する商標について、調査や出願を行っていれば、他社とのバッティングに気付くチャンスもあるのですが、調査や出願を行わないで、そのような流行りの言葉を商品名又はサービス名として採用してしまった場合、上記のような事態に気付かずに、場合によっては、他社の商標権を侵害するようなことにもなりかねません。
 このため、流行りの言葉を商品名やサービス名として採用する場合には、他人の商標権を侵害していないかを注意深く確認したうえで、事業を進めることが重要なように思います。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 河野 生吾)

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