知財コラム

「出願審査請求のタイミング」

 特許を出願した場合、「いつ出願審査請求をしたらよいのか」よく受ける質問です。これは出願後直ちに出願審査請求をすべきか、逆に期限ぎりぎりまで待って出願審査請求をすべきか、と換言することもできます。
 一般的に出願審査請求のタイミングについては以下のように言われています。
 早期審査・権利化の長所;(1)商品化までに時間を要する製品に対し特許権の成立が遅くなると、商品化できた時点で特許権の存続期間が短く、特許権を有効活用できない。(2)特許権をライセンスアウトする場合も、存続期間は長い方がよい。ライセンシーが使い易い。(3)製品・技術の売り込みを行う場合、特許が成立していることが重要である。出願段階では、相手にされないことも多い。
 早期審査・拒絶の短所;(1)拒絶査定が確定すると基本的に第3者は自由に実施できる。換言すれば審査結果が確定するまでは第 3 者の実施を抑制することができる。(2)改良発明が想定される場合、早期に審査請求を行うと出願審査請求料が無駄になる場合がある。
 以上のように出願審査請求のタイミングによって、利益を得ることも、逆に利益を逸失することもあり、直ちに「早い方がよい」、「遅い方がよい」とは言えません。出願審査請求のタイミングは、特許の位置付け(取得目的)、特許を使用した製品の事業化計画等を検討し、また出願審査請求から結果が確定するまでの期間を考慮し、適切な時期に行うようにすべきです。

(日本弁理士会中国支部 弁理士 專徳院 博)

バックナンバー

知財コラムの一覧に戻る