知財コラム

「商標のファストトラック審査の運用変更について」

 このコラムで以前にも紹介されましたが、現在、商標の審査着手までの期間(目安)が全区分に渡って12ヶ月~14ヶ月となっています。特許行政年次報告書2019年版によれば、2018年のファーストアクション期間は7.6ヶ月ですので、そのときの審査着手までの期間はそれよりもさらに短い期間だったということになります。現在の審査着手までの期間は、2018年のそれと比較して、かなり長期化していることが分かります。
 そのような状況になっていることもあり、本年2月の出願から、商標のファストトラック審査の運用が変更されることが先日特許庁から発表されました。
このファストトラック審査とは、対象案件について、通常より早く最初の審査結果通知を行う審査運用であり、その運用変更により、ファストトラック審査の審査期間が、「変更前 : 通常より約 2 か月早く」に対し、「変更後 : 出願から約 6 か月で」となり、通常案件よりも約 6 か月以上早く審査されることになります。
 その対象案件とは、次の(1)及び(2)の両方の要件(詳しくは特許庁ホームページでご確認ください。)を満たすものです。
(1)出願時に、「類似商品・役務審査基準」、「商標法施行規則」又は「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に掲載の商品・役務(以下、「基準等表示」)のみを指定している商標登録出願
(2)審査着手時までに指定商品・指定役務の補正を行っていない商標登録出願これらの要件を満たすものは、特に申請をしなくても自動的にファストトラック審査の対象になります。
 このファストトラック審査の対象案件の要件は、早期審査の対象となる3態様の内の一つの要件との整合性が高いので、同対象案件の要件を満たすようにしておけば、さらなる早期の権利化を希望される場合に早期審査をスムーズに利用することができるというメリットもあります。
以上、ご参考いただければ幸いです。

(日本弁理士会中国会 弁理士 須田 英一)

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