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「特許出願の請求項数について」

2019.09.04

特許出願における請求項は、特許権の権利範囲を決定する上でとても重要な部分ですが、以前、インターネットで調べ物をしていると、日本の特許出願について、請求項数の多い特許出願を調べてまとめられているサイトにたどり着きました。
まず、公開公報ですが、第1位は、特表2007-514472号公報(出願人:アンジオテックインターナショナル)で、請求項数がなんと19,368個!です。びっくりしました。J-PlatPatで調べてみると、確かに存在しました。外国から日本へと移行された出願でしたが、翻訳はさぞ大変だったことでしょう。もし仮にこの全ての請求項を特許庁に審査してもらう場合、現在の出願審査請求料で換算すると、138,000円+19,368×4,000円=77,610,000円です(笑)。次に、登録公報ですが、第1位は、特許第3733065号(出願人:三洋電機株式会社)で、請求項数が316個とのことでした。調べてみると、発明の名称が「リチウム電池用電極及びリチウム二次電池」であり、一般的に請求項の多い化学等の分野ではなく、ちょっと意外でした。企業の事情や都合により出願されたものなのでしょうが、これらのような出願(翻訳)の依頼が来たら、自分だったらどう対応するのだろう?とふと頭をよぎりました。「【請求項20000】・・・請求項19000に記載の○○において、・・・・」と順に書いていくのを想像するだけでも気が遠くなります(笑)。
以上、特許出願に関する雑学ですので、お客様等との会話が弾まないときのネタとして使ってみて頂ければと思います。

(日本弁理士会中国会 弁理士 大西 渉)