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「生成AIの時代」

2025.07.11

このメルマガコラムは弁理士会中国会の会員が書いていますが、いよいよ私の順番の締め切りが近くなったよ、と事務局からリマインドメールが届きました。


さて、何を書こうか、と考えながらPCに向かい、ふと思い立って「知財に関するコラムを書いて」と入力してみたところ‥「保護の意義」なるタイトルに「イノベーションを支える知的財産権の世界」とサブタイトルがつき、さらに「知的財産(知財)は現代社会において極めて重要な概念であり、創造性やイノベーションを支える基盤となっています。」から始まる数行の前文を経て、「知的財産とは何か」「知的財産の重要性」「知的財産の保護の意義」「知的財産を守るための取り組み」の項目立てと、各項目に要点説明がなされた3頁のコラムがあっという間に完成!これはヤバイね。


ある弁理士は、攻めあぐねていた拒絶理由通知への対応策を生成AIに検討させたところ、思いつかなかった視点から意見書を作成されて「これは自分が書くより実力が上かもしれない」と驚愕したそうです。


拒絶理由にどう反論するか生成AIからヒントをもらえる?‥これは誰でも使えるな‥そうすると、職業弁理士としては単純に喜んでいる場合ではないかも‥?昨年5月16日、東京地裁で「特許法に規定する『発明者』は、自然人に限られる」という判決がなされました(令和5年(行ウ)第5001号 出願却下処分取消請求事件)。AIが発明者になることは認められなかったわけですが、裁判所は、「AI発明に係る制度設計は、AIがもたらす社会経済構造等の変化を踏まえ、国民的議論による民主主義的なプロセスに委ねることとし、その他のAI関連制度との調和にも照らし、体系的かつ合理的な仕組みの在り方を立法論として幅広く検討して決めることが、相応しい解決の在り方とみるのが相当である。」と付言しました。


今は人間が指示していますが、進化したAIが自律的に考えるようになると、発明者も、特許出願人も、代理人もAIである、という時代が来るのでしょうか?ますますヤバイね。


ちなみに、このコラムは生成AIに書かせたものではありませんので、念のため。


日本弁理士会中国会 弁理士 森 寿夫