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「特許を取って何か意味あるの?」

2025.10.08

特許取得の目的として、教科書的に「特許技術を保護・独占することで他社の模倣を防ぎ、市場独占や競争優位性を確立」、「他社の権利化を阻止して他社からの妨害を防ぐ」、「ライセンス収入を得る」等がよく挙げられます。このように特許がビジネスの展開や持続的成長に役立つことは今や広く知られているものと思います。


但し、特許取得により得られるメリットは他にもあります。先日、クライアントの方とこんな会話をしました。「特許を取れて本当に良かったです。入社希望者が増えたんです。」「えっ?!そこにどんな関係が?」「はい、特許取得を新聞や自社HP等で広くアピールしていたんですが、それを見たのか、特許取得のことを志望動機で挙げる求職者がいまして。それも県外の求職者なんです。」


地方の中小企業にとって人材確保は大きな課題となっています。特許取得のメリ ットとしてそのような側面があることに驚くと共に大変嬉しく感じました。


このように特許は会社の魅力を外に示す“名刺”のような役割も果たします。特許 によって会社の技術力、ブランド力、信頼性を社外に示すことができます。人材確保だけでなく、共同研究・共同開発の機会獲得、資金調達の後ろ盾としても役立つでしょう。


日常業務で思い付いたアイデアは、頭の中に留めておくのではなく会社の財産として具体化・見える化したうえで、ぜひ特許出願をご検討ください。そして、その特許をビジネス展開に役立てるだけでなく、御社の技術力・魅力を社外に示し、採用やビジネスチャンスを広げるツールとして役立てて頂きたいと思います。


日本弁理士会中国会 弁理士 田中 俊夫