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「コンテンツ産業の国の方針について」

2025.11.17

令和7年6月、経済産業省より「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」が公表されました。この戦略は、コンテンツ産業を日本の成長エンジンと位置づけ、地域発の創造力を世界へと展開することを目指すものです。特に「地域コンテンツの創出・発信」「人材育成」「海外展開支援」など、地方にとって追い風となる施策が多く盛り込まれています。


例えば、広島県では、アニメ・映像制作の拠点化を目指したスタジオ誘致や、ロケ地支援制度の整備が進められており、地域資源を活かしたコンテンツ創出が加速しています。尾道や呉など、風景や歴史を活かした映像作品が国内外で評価されており、地域ブランドの形成にも寄与しています。


また、島根県では、出雲神話や伝統文化をテーマにしたゲーム・アニメ企画が立ち上がり、地域の物語を現代の表現に昇華する取り組みが注目されています。さらに、若手クリエイターの育成に向けたワークショップやインターンシップも展開されており、地域内での人材循環が生まれつつあります。


岡山県、山口県及び鳥取県においても、地域資源を活かしたコンテンツ創出や人材育成の取り組みが進められています。


今回公表された戦略では、コンテンツの権利化支援やIP活用による地域ブランド強化も明記されており、知的財産の活用が重要な柱となっています。中国地方の魅力をコンテンツとして磨き上げ、世界に届けるためには、地域の知恵と創造力、そして知的財産の活用が不可欠であり、我々弁理士も、中国地方の地域の皆さまとともに、コンテンツ産業の未来を築いていけるよう、日々精進してまいります。


日本弁理士会中国会 弁理士 河野 生吾