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「ラビオリはべりいまそかり※」

2026.03.16

受験シーズンもひと段落し、桜が咲くのが待ち遠しい季節となりました。さて商標の審査では、出願された商標が他の商標と類似していないかどうかが判断されます。このとき審査官は、商標そのものの類似だけでなく、指定商品・役務が類似かどうかも検討します。では、商品や役務の類似はどのように判断されているのでしょうか。

その拠り所となるのが「類似商品・役務審査基準」です。この基準では、類似と考えられる商品・役務がグルーピングされ、各グループに「類似群コード」が付されています。同じ類似群コードの商品・役務は類似と推定され、異なる場合は非類似と推定されます。

類似群コードごとに、見出しとなる商品・役務が掲載されており、実務ではこれを「短冊」と呼んでいます。短冊の役割は、特定分野の商品・役務を素早く見つけられるようにすることです。例えば第30類で見ますと、類似群コード29A01の短冊は「茶」、29B01は「コーヒー ココア」とあります。うん、分かりやすい。そして32F06の短冊は「ぎょうざ しゅうまい すし たこ焼き 弁当 ラビオリ」・・・ラビオリ?

「ラビオリ」がどんな商品なのか、すぐに思い浮かべられるでしょうか。誰もが知る「ぎょうざ」や「たこ焼き」と肩を並べるほどの代表選手にしていいのか? 同じイタリア料理でも「リゾット」や「ラザニア」の方がメジャーなのでは?

もちろん、類似商品・役務審査基準は恣意的に作られているわけではありません。関係団体などの意見を踏まえて決定され、生きた経済に対応するためほぼ毎年改訂が行われています。改訂のたびに意見募集も実施され、寄せられた意見により修正されることもあります。

ちなみに、私は審査基準で「ラビオリ」を目にするたびに違和感を覚えていました。しかしその違和感ゆえに、今では私の中で「ラビオリ」は尊い存在になっています。これからも末永く、32F06の短冊に、ラビオリ様がいまそかることを願へり。

※古文のラ行変格活用の4動詞「あり・をり・はべり・いまそかり」をもじったもの。


日本弁理士会中国会 弁理士 川角 栄二