日本弁理士会 中国会

MENU

知財コラム

ヨット ヨット
中国会はっぴょん 知財コラム

「商標登録出願は簡単?!」

2023.01.04

時折、商標登録出願に関して次のような話を聞くことがあります。
「商標登録出願は用紙1枚程度の簡単な書式ですよね。」
確かに、商標登録出願は、【商標登録出願人】の欄に自分の情報を記載して、【商標登録を受けようとする商標】の欄に申請したい商標を記載して、【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】の欄に区分、指定商品、指定役務を記載することができれば完成する、特許出願の書式と比べると簡単な書式となっています。
このため、商標登録を受けようとする商標及び指定商品又は指定役務が決まっていれば、その書式に合わせて記載するだけで、簡単に手続きできてしまい、うまくいけば商標権の獲得に成功するでしょう。
しかしながら、ご自身で既に決められた、商標登録を受けようとする商標、指定商品、指定役務は、本当にそれで問題ないのでしょうか?その商標、指定商品、指定役務は、ご自身のビジネスを有効に保護できるものであり、将来のビジネス展開を見据えたものとなっていますでしょうか?
当方も事務所名を決めるのに苦労したため分かるのですが、商品やサービスの名称等の命名にはかなりのエネルギーが必要となります。そのため思い入れが強くなり、上述のような観点で冷静に見直すことが難しくなりがちなように思います。登録商標は、事業のブランディングを担うツールの一つとなるため、その出願にあたっては自身のビジネスとの関係をトータル的に考える必要があります。これから出願しようとしている商標や指定商品等を第三者の目線で見直す機会を得るためにも、我々弁理士との相談の場をぜひご活用頂き、ビジネス戦略的に有効な商標登録出願を行って頂ければと思います。

(日本弁理士会中国会 弁理士 田中 俊夫)