「特許法第38条の2」
2026.09.10
特許
論文発表予定の内容に特許出願すべき発明が含まれる場合、論文発表前に、特許庁への特許出願手続を完了させる必要があります。しかし、論文発表までに、特許出願書類を作成するだけの時間的余裕が十分になく、特許庁への特許出願手続が論文発表に間に合わない場合があります。この場合、論文発表後に、新規性喪失の例外規定の適用を受けて特許出願手続を行う方法があります。しかし、日本において新規性喪失の例外規定の適用を受けることにより救済される場合であっても、外国において同様に救済されるとは限りません。したがって、日本だけでなく、外国での特許権利化を目指す場合、論文発表前の特許出願日を確保する必要があります。特許法では、特許出願日の認定の要件を定めています。言い換えますと、その認定の要件さえ満たせば、特許出願日は確保できるということです。
特許法第38条の2第1項では、特許庁長官は、①特許を受けようとする旨の表示が明確でないと認められるとき、②特許出願人の氏名若しくは名称の記載がなく、又はその記載が特許出願人を特定できる程度に明確でないと認められるとき、③明細書が添付されていないとき、を除き、特許出願に係る願書を提出した日を特許出願の日として認定しなければならないと規定されています。したがって、上記①、②及び③に該当しない場合、特許庁に願書を提出した日が特許出願日となります。なお、特許法第38条の2の要件は、あくまでも特許出願日の認定要件です。特許出願書類が他の要件を満たしていない場合、補正命令が出されることになりますので、その点をご留意頂けますと幸いです。
特許法第38条の2(特許出願の日の認定)について、ご記憶に留めて頂き、実務においてご活用頂ければ幸いです。
日本弁理士会中国会 弁理士 T.A.